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粋な枠

07   /   06   /   2025

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29   /   06   /   2025

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「絵画」の意味を問いかけることは少し後にしよう。しかし、ギャラリーに来て、そこにどんな意味も見出せない時、人は此処には二度と来ないだろう。だからドゥルーズの言う「絵画の冒険」を目指して、彼らにライプニッツの「モナド的絵画」の実現を期待した。それは単純実態が他の細胞に包まれて複合化し、より強度に変化してゆく状態を意味する。「絶対的自己矛盾としての絵画」の実現には彼らの力が必須の条件であり、「器官なき身体」としての絵画の登場を期待します。(2kw gallery / 金子 正二)

中井 浩史×中屋敷 智生×田中 真吾〈粋な枠〉

​会 場:2kw gallery
会 期:2025年6月7日 (土) – 6月29日 (日)

休廊日:月.火.水
時 間:13:00 - 19:00(最終日17:00まで)

入場料:無料
場 所:滋賀県大津市音羽台​3-29-1

W E B:https://2kwgalleryinfo.wixsite.com/2kwtop

主 催:2kw gallery

■ ​トークイベント

ゲスト:はが みちこ(アート・メディエーター)

開催日:2025年6月22日 (日)

時 間:16:00 から

ゲストトーク終了後には参加者も交えての歓談を予定しています。​​

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粋な枠 「絵画」に出会うこと

ギャラリーを訪れた人には、これらの抽象的な作品を前にしてひとまずは立ち尽くしてもらいたい。 われわれはその思いからひとりの作家がそれぞれ1点の作品を展示することを計画した。

モネの「積み藁」の連作は最初のシリーズ絵画であると言われる。

積み藁を描いた絵画が展示室に並んだとき、そこに浮かび上がるのは 「映ろいゆく光を描く」というモネの「仕事(work)」である。 「絵画」への解釈が作家の「仕事」への解釈へと入れ替わっていく。 「絵画」はこのときコンセプチュアルな装いを纏うのである。

そこで覆い隠されてしまうのは、何の後ろ盾も持たないでただそこにある「絵画」の姿であろう。 卑近な例では作家の履歴や述べる言葉でさえそれを覆い隠すことに加担している。

2kw gallery はこう呼びかける。 「絵画」の意味を問いかけるのは少し後にしよう、と・・・・・・・

・・・・・・・「絵画」の意味とは何だろう。 意味は「絵画」の側にある。 作家の側にも、見る者の側にも、意味は前もって準備されてはいない。 準備されてはいないのだ。

「絵画」の前に立ったそのときにはじめての意味が生じるのである。

ふむ、しかしながら作家であるわれわれはすでに問われている。 お前の「絵画」はそういうものであるのかと。 はじめての意味が前触れもなく突き刺してくるそういうものであるのかと。

この場に3人の作家はそれぞれ1点の作品を展示した。 履歴もポートフォリオも置いていない。 場は設定されている。 あとはひとつひとつの「絵画」が見る者にはじめての意味を解釈させるかどうかだ。

ギャラリーを訪れた人が立ち尽くしたそのあとに、 ただそこにある「絵画」の姿に出会ってもらえることを。 われわれはそう思い、描いてきた。

■ ​アーティスト

● 中井 浩史 Hiroshi NAKAI

ドローイング(いまここに線を引くこととそこから生まれるものを見ること)を基点として制作をしたり、人と関わる活動を続けている。2024にはドローイングユニット<入道雲/SAKURAI R + NAKAI H >を結成する。2025「ハッピーニュウ廃屋/舞台 出張入道雲」(谷文化にて野外ライブドローイング)「春休みの入道雲」(バイソンギャラリーにてドローイングハプニング)、2024「ドローイング、絵画、その辺りのもの」(MEDIA SHOP gallery2にて個展、アンビエントミュージシャンkm:との共演)、「カオの出自」(GALLERY301にて個展)、2023「Form and Pulse 2」(2kw galleryにて個展)など。

中井浩史 WEBサイト https://jydkr594.wixsite.com/works-hiroshi-nakai

● 中屋敷 智生 Tomonari NAKAYASHIKI

1977年大阪府生まれ。京都市在住。2000年京都精華大学美術学部造形学科洋画分野卒業。国内外の展覧会やアートフェアに参加多数。アーティスト・ラン・オルタナティブ・スペースの運営や、グループショーなどの企画も手がける。近年は、絵具と同じ画材・メディウムとしてマスキングテープを使用しており、コラージュのようなレイヤーとテクスチャーを持つ絵画作品を数多く発表している。図と地の関係が常に入れ替わるようなこの手法によって、対象を視覚的に認識することの不確かさや、絵画と鑑賞者という伝統的な二元論を超えた絵画作品のあり方を探求している。

近年の主な展覧会に、2025年「中屋敷智生×光島貴之〈みるものたち〉」(BUG 株式会社リクルートホールディングス / 東京)2024年「内と肉」(YIRI ARTS / 台北, 台湾)2024年「ばからくう」(2kw Gallery / 滋賀)など。

*中屋敷智生 WEBサイト https://nakayashiki.wixsite.com/tomonari

● 田中 真吾 Shingo TANAKA

1983年大阪府生まれ。大津市在住。2008年京都精華大学芸術研究科博士前期過程洋画専攻修了。制作に火を用いることで、燃焼が生み出す偶然性や、消失と生成の関係性を作品に取り入れることを試みている。近年はそこから派生し、消失と生成を「描き、消す」行為に読み替えた絵画など、様々な形態の作品を横断的に制作している。また、大学附属美術館の学芸員として多数の展覧会を企画・運営している。

近年の主な展覧会に、個展「ツァラトゥストラ」(2024、2kw gallery/滋賀)、「STRIDES by strokes」(2023、eN arts /京都)、「たれそかれ」(2021、A’holic/東京)、「VOCA展2019」(上野の森美術館)など。

*田中真吾 WEBサイト https://shingotanaka.net/

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