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アブストラと12人の芸術家
HER NAME IS ABSTRA
11 / 11 / 2012
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16 / 12 / 2012
アブストラと12人の芸術家
HER NAME IS ABSTRA
会期:2012年11月11日(日)〜12月16日(日)
時間:13:00-19:00 (月曜日休み)
場所:大同倉庫(京都市中京区壬生神明町1-61)
JR二条駅より徒歩10分
入場料:当日¥500(パスポート制)前売り¥450
※会期中何度でも入場可。
再入場の際、本人確認のできる証明書のご提示が必要です
主催:アブストラクト実行委員会
会場構成
デザインワーク
立花和政 Kazumasa Tachibana
(50音順敬称略)
概要
この展覧会は12人の作家が新作を通じて現代の美術における抽象表現とは何かを問う自主企画展である。
美術の歴史を俯瞰して見ると、抽象表現は50年代を中心とするアメリカ絵画、いわゆる抽象表現主義において一度ピークを迎えたのは明らかであろう。このピークは、世界大恐慌から、第2次世界大戦という人間の理性の根幹をゆるがすような出来事を経て辿り着いた、言わば時代の必然であった。ロスコ、ポロック、デ・クーニングなど、巨匠たちが残した圧倒的な作品は、アメリカを美術の中心に牽引し、その後の美術にも多大な影響を与えた。
では、現代の僕たちの抽象表現とは何なのだろう?
敗戦後、日本はアメリカの影響を強く受けながら、効率を重視し、物質的に豊かな社会を作り上げて来た。しかし、今回の大震災により、それらは根幹から崩れようとしている。何かが確実に崩れ、しかし、新しい何かが見えない。世の中は抽象的な風景のように、ただ揺らいでいる。
いま、この価値の根幹が揺らいでいる日本で、抽象について改めて問い直すことが必要なのではないだろうか?時代的必然と圧倒的な吸引力で美術史の一つのピークを作り、歴史を塗り替えたアメリカの抽象表現主義を男性的でマッチョな抽象とするならば、おそらく僕たちの現代の抽象は、それとは異質なものなのだろう。つまり、それは、男性的な抽象に対し、女性的な抽象と呼べるものではないのか? というのが僕たちの一つの問いである。この問いのもと、アメリカ抽象表現主義を起点に、それを振り返りながらも、僕たちは前を向き、まだ見ぬ「アブストラ」という名の女性を探そうと思う。
ここに集まる12人の作家がそれぞれの道で出会う「アブストラ」は一体どんな姿なのだろう?2012年11月、倉庫の扉が開かれる時、それは、それぞれの作家の新作という形で明らかになる。それは、あなたが見た事のあるどんな抽象作品からもかけ離れているかもしれない。そう、「アブストラ」は「アブストラクト」ではない抽象表現の姿なのだ。是非、会場で僕たちの「アブストラ」としての抽象作品を目撃して欲しい。そして、僕たち12人の作家の提示する新しい抽象表現の始まりに立ち会って欲しい。
僕たちは僕たちの方法で新しい抽象をここに、いま、問う。
実行委員長 田中和人